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子規さんと遊ぼう会

子規さんと遊ぼう会

作品制作について

「子規さんと遊ぼう会」の作品制作は、「子規さん俳句かるた」遊びからスタートしました。
子規さんの俳句かるたでかるたとりをしたり、とった俳句を筆で表現したりします。
子規さんに関して、普段からいろいろな話しをして子どもが郷土の文化を心にしっかりと刻んでいけるようにしています。
そして、表現した「俳句書」を展示発表できたらと考えております。

作品への取り組み

1.導入〓子規さんの性格から。−『墨汁一滴』(明治34年4月8日)を引用
『僕は子供の時から弱味噌(よわみそ)の泣味噌(なきみそ)と呼ばれて小学校に往(い)ても度々泣かされていた。
たとえば僕が壁にもたれていると右の方に並んでいた友達がからかい半分に僕を押して来る、左へよけようとすると左からも他の友が押して来る、僕はもうたまらなくなる、そこでそのさい足の指を踏まれるとか横腹をやや強く突かれるとかという機会を得て直ちに泣き出すのである。そんな機会はなくても二、三度押されたらもう泣き出す。それを面白さに時々僕をいぢめる奴があった。しかし灸を据(す)える時は僕は逃げも泣きもせなんだ。しかるに僕をいぢめるやうな強い奴には灸となると大騒ぎをして逃げたり泣いたりするのが多かった。これはどっちがえらいのであろう。』

2.取り組み〓「かるた取り」→「半紙作品」→「自由なサイズの紙」→「共同作品」

3.展示〓松山市立子規記念博物館 (松山市教育委員会共催)
「子規さんと遊ぼう会」の子供たちは、自分達の自主的な動きで作品制作をしている。
自分が表現する句について、意味を調べ、その時子規さんが何を考えていたか、何を見ていたか、何を想像していたかイメージできたとき、筆を持つ。共同作品は、みんなの心が一つにならないとリズムが生まれてこない。
紙のサイズに合わせて、誰がどこへ書くか構図を描きながら何回となく書き、話し合いをくり返しながら、次第にみんなの心が一つになっていく。全て、リーダーが中心となって自分達で制作をする。「先生」といえば、子供達の中へ入るが、できるだけ口を出さないようにしている。私は、この「子規さん俳句かるた」を通じて、子どもたちに故郷(ふるさと)を愛する心を育んでもらいたいと切望している。
『努力は力となる』をキーワードとして、チャンスにチャレンジしていく子供たちはどれだけチェンジするのであろう。
「子規さんと遊ぼう会」の子供達は、これからもさらに活発な動きを見せてくれることを確信しています。






子規さんへのメッセージ                       小6・Y君 

 僕は子規さんに話したいことがたくさんあります。
★僕は、子規さんの句を「子規さん俳句かるた」の中から選んで書道作品にしています。
★僕は、子規さんの句に出会ったことを「誇り」に思っています。
★僕は、子規さんの句を作品にしているとき楽しくてたまりません。
★僕は、子規さんの句を書いていると想像の輪がどんどん広がっていきます。
★僕は、子規さんの句から子規さんの生き方などたくさんのことを学んでいます。
★僕は、子規さんの句から明治時代の風景や行事などが見えてきます。
★僕は、子規さんの句から子規さんの強い精神力を感じることがあります。
★僕は、子規さんの句のすばらしさを筆の力で多くの人に伝え続けていきます。
子規さん、たくさんの句を作ってくれてありがとうございました。
僕は、子規さんの句を「子規さんと遊ぼう会」のメンバーとともに書道作品にしていきます。これからも、見守って下さい。
共同作品を書いて                          小5・H君 

 今回は、いままでで一番少ない四人での共同作品制作。まず、みんなで配置を考え、実際に書いてみました。そして、書き始めようと思ったら、みんな緊張していました。そんな時に先生が「思いきって書きなさい。」といったので、墨をたっぷりつけて力強く書きましたが、余白がだいぶできてしまいました。
 それから、何枚も何枚も練習し、いけなかったところはみんなで話し合い、その反省を生かして、個人練習をするなど、いろいろな努力をしました。慣れてくると、みんな「坂の上の雲」の曲のリズムに乗って書くことができました。一番いい作品ができた時、ぼくは「ふー」と深く息をはきました。なぜなら、その作品一枚に、みんなが努力した汗がしみこんでいるんだなと思ったからです。
 今回、この共同作品を書いて、わかったことがあります。それは「仲間」の大切さです。仲間がいると、おたがいにはげまし合うことができ、時にはライバルとして競争したりできます。
 また、ライバルになることによって、負けないぞという気持が芽生え、努力することにつながります。これからも、「子規さんと遊ぼう会」は、「努力は力となる」をモットーにがんばりますので応えんよろしくお願いします。
僕が書道を続けている理由                       中2・Y君 

僕は、一昨年の10月子規記念博物館で開催された『のぼさん秋祭り』で書のパフォーマンスをした。一人で!!
書のパフォーマンスは、これまで“子規さんと遊ぼう会”の仲間と一緒に色々なところで経験していたが、一人は初めてだった。
ある時、先生は僕に「一人でパフォーマンスしてみない?」といった。僕はその時、正直一人では恥ずかしいからやりたくなかった。だが、その先生の一言は、塾のキーワード「CCC精神(チャンスにチャレンジそしてチェンジ)」を僕に思い出させてくれた。
これはチャンスなんだから、チャレンジしてみよう、今の自分がチェンジできるかも知れないという思いになった。
そして、夏休みから練習をスタートさせた。
いつものように、手本はない。先生は、僕の思うように自由に表現するように指示をし、自分のアトリエへと向かっていった。「自分で書けたと思ったら、声をかけなさい」と、言い残して。
何日かたったある日、先生は音楽を選んでくれていた。
僕に課せられたことは、「体と筆を一体にする」ことだった。音楽に合わせて筆を動かせるということは初めてだったので難しかった。
何回も何回も練習するうちに、流れてくる音の強弱によって筆の動きも変わるようになった。「リズム」が生まれると表現も次第に大胆になってきた。
先生が「もう大丈夫、本番は思い切って書きなさい」といってくれたとき、僕は自分でも「できる」という思いになった。
パフォーマンス当日、とても緊張し失敗したところもあったが、見てくれている人達から盛大な拍手をいただいた。僕はその鳴り響く拍手がたまらなく嬉しく興奮すらした。
やり終えた充実感に浸ると同時に、「CCC精神」が僕の頭をよぎった。一人でもできるんだという自信にも繋がった。
僕にとって書道は、自分を成長させてくれる大切な存在である。
何事にも消極的だった僕は、今回の経験によって人前で意見を発表したり、前向きに行動したり、積極的な自分に変身してきたように思う。
 冬休みになって、新しい作品を書いた。その時、先生は「努力せないかんよ!」といった。塾の壁に掲げてある「努力は力」、その言葉をいつも見ているが、僕は最近、意識できていなかった。先生の一言で忘れかけていた努力の大切さを思い出した。
努力することはCCC精神につながっていることも改めて自覚できた。
これからも自分の目指す目標に向かって、この精神を意識し自分を高めていきたい。

のぼさん秋祭りの様子