|
トップ > 作品紹介 > 夏目漱石
夏目漱石
愚陀佛は 主人の名なり 冬籠
御立ちやるか 御立ちやれ 新酒菊の花
草山の 重なり合へる 小春哉
聞かふとて 誰も待たぬに 時鳥
帰ろふと 泣かずに笑へ 時鳥
無題(漢詩)
愚陀仏は 主人の名なり 冬籠
叩かれて 昼の蚊を吐く 木魚哉
猫も聞け 杓子も是へ 時鳥
はらはらと せう事なしに 萩の露
永き日や 欠伸うつして 別れ行く
どこやらで 我名よぶなり 春の山
疾(し)く帰れ母一人ます菊の庵
見つつ往け旅に病むとも秋の富士
此夕野分に向いてわかれけり
衣更へて京より嫁を貰ひけり
|