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平成26年11月23日〜

虚子の眼(全紙1横)

「石丸繁子書道展 虚子の眼 - 明治・大正・昭和を羽ばたいた虚子の世界」
平成26年11月23日〜11月29日 松山市立子規記念博物館3階 特別展示室

石丸繁子書道展 虚子の眼 コンセプト(全紙1横)

コンセプト
愛媛の俳人に執着して十四年目。
ようやく、「虚子の眼」に辿り着いた。
虚子の職業は、出版業者・小説家・俳人。
この三つの顔は、作家的稟質によって、次々と新風を巻き起こすのである。
大きく見開いた「虚子の眼」は、時代の動向を的確に捉え、独自の旗幟を翻すことになる。
それが、俳句観「花鳥諷詠」の提唱である。
私は、その虚子の姿に魅了され、制作意欲を増幅させていった。
虚子は、十七音を響かせながら、大きな力で私の「心のスイッチ」を押してくれた。


新聞「日本」文芸欄に初登場

酒もすき餠もすきなり今朝の春
酒もすき餠もすきなり今朝の春
明治26年 季語「今朝の春」 季節「新年」
(全紙1/2)


俳壇デビュー

能のある東雲樣や花曇
能のある東雲樣や花曇
明治29年 季語「花曇」 季節「春」
(全紙1/2)
松蟲に戀しき人の書齋かな
松蟲に戀しき人の書齋かな
明治29年 季語「松蟲」 季節「秋」
(全紙1/2)
鶏の空時つくる野分かな
鶏の空時つくる野分かな
明治29年 季語「野分」 季節「秋」
(全紙2/3横)
蝶々のもの食ふ音の靜かさよ
蝶々のもの食ふ音の靜かさよ
明治30年 季語「蝶」 季節「春」
(半切1/2横)
もたれあひて倒れずにある雛かな
もたれあひて倒れずにある雛かな
明治30年 季語「雛」 季節「春」
(全紙1/3横)


雑誌「ホトトギス」主宰

薔薇呉れて聖書かしたる女かな
薔薇呉れて聖書かしたる女かな
明治32年 季語「薔薇」 季節「夏」
(全紙1/3横)
遠山に日の當りたる枯野かな
遠山に日の當りたる枯野かな
明治33年 季語「枯野」 季節「冬」
(全紙1横)
打水に暫く藤の雫かな
打水に暫く藤の雫かな
明治34年5月17日 新聞「日本」に掲載
季語「打水」 季節「夏」
(半切1/2縦)
と言ひて鼻かむ僧の夜寒かな
と言ひて鼻かむ僧の夜寒かな
明治37年 季語「夜寒」 季節「冬」
(半切1縦)
我子早やいろはかるたを取るやうに
我子早やいろはかるたを取るやうに
明治37年 季語「かるた」 季節「新年」
(半切1縦)


俳壇復帰「守旧派」を宣言

春風や闘志いだきて丘に立つ
春風や闘志いだきて丘に立つ
大正2年 季語「春風」 季節「春」
(全紙1横)
大寺を包みてわめく木の芽かな
大寺を包みてわめく木の芽かな
大正2年 季語「木の芽」 季節「春」
(全紙1横(衝立))
鎌倉を驚かしたる餘寒あり
鎌倉を驚かしたる餘寒あり
大正3年 季語「餘寒」 季節「春」
(全紙1/2)
時ものを解決するや春を待つ
時ものを解決するや春を待つ
大正3年 季語「春待つ」 季節「冬」
(2尺・6尺縦)


丸ノ内の丸ビルへ「ホトトギス」発行所を移転

月の友三人を追ふ一人かな
月の友三人を追ふ一人かな
大正12年 季語「月」 季節「秋」
(全紙1/2)


「花鳥諷詠」論を提唱

東山靜かに羽子の舞ひ落ちぬ
東山靜かに羽子の舞ひ落ちぬ
昭和2年 季語「羽子」 季節「新年」
(全紙2/3横)
咲き滿ちてこぼるる花もなかりけり
咲き滿ちてこぼるる花もなかりけり
昭和3年 季語「花」 季節「春」
(全紙1/3横)


会場の様子