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平成28年11月20日〜

子規の声(全紙1横)

「石丸繁子書道展 子規の声 - 俳句も書も同一の標準である」
平成28年11月20日〜11月26日 松山市立子規記念博物館3階 特別展示室
石丸繁子書道展 子規の声 コンセプト(全紙1横)

コンセプト
子規は明治28年秋、無事、帰庵した。今展は、その子規にスポットをあてた。
「いよいよ自立の心つよくなれり・・・ 文学はやうやう佳境にいりぬ」とあるように、病臥の身にあっても俳句の指導書「俳諧大要」の執筆を終えるなど、革新の日々はますます盛んであった。
句の選択は、感動からくる。作品は、その句の背景を深く識ることからスタートする。それを識れば識るほど美を発見し、紙面分割につながってくる。ある時、「俳句も書も同一の標準である」という子規の声が聞えて来た。その応援メッセージは、私の心と表現力を高揚させる源となった。私の俳句書は、まだまだ子規の志に魅せられとどまるところを知らない。


子規の帰庵

行く秋を生きて歸りし都哉
行く秋を生きて歸りし都哉
明治28年 季語「暮秋」 季節「秋」
(162×49.5縦)
稲の秋命拾ふて戻りけり
稲の秋命拾ふて戻りけり
明治28年 季語「稲」 季節「秋」
(全紙2/3縦)
面白う黄菊白菊咲きやたな
面白う黄菊白菊咲きやたな
明治28年 季語「菊」 季節「秋」
(全紙1/2)
繪かきには見せじょ庵の作り菊
繪かきには見せじょ庵の作り菊
明治28年 季節「菊」 季節「秋」
(半切1縦)


子規庵の年末

手凍えて筆動かず夜や更けぬらん
手凍えて筆動かず夜や更けぬらん
明治28年 季語「凍」 季節「冬」
(全紙1/3横)
霜やけや娘の指のおそろしき
霜やけや娘の指のおそろしき
明治28年 季語「霜やけ」 季節「冬」
(半切1縦)
煤拂や神も佛も草の上
煤拂や神も佛も草の上
明治28年 季語「煤拂」 季節「冬」
(全紙1縦)
煤はきのここだけ許せ四畳半
煤はきのここだけ許せ四畳半
明治28年 季語「煤拂」 季節「冬」
(全紙2/3縦)
冬籠書齋の掃除無用なり
冬籠書齋の掃除無用なり
明治28年 季語「冬籠」 季節「冬」
(全紙1/3横)
音もせず親子二人の冬こもり
音もせず親子二人の冬こもり
明治28年 季語「冬籠」 季節「冬」
(全紙1/3横)
春待つや只四五寸の梅の苗
春待つや只四五寸の梅の苗
明治28年 季語「春近」 季節「冬」
(全紙1/3縦)


漱石が来る

足柄はさぞ寒かったでござんしょう
足柄はさぞ寒かったでござんしょう
明治28年 季語「寒さ」 季節「冬」
(全紙1/2)
梅活けて君待つ菴の大三十日
梅活けて君待つ菴の大三十日
明治28年 季語「大三十日」 季節「冬」
(120×120)


子規の書簡

「小生は孤立すると同時にいよいよ自立の心つよくなれり 死はますます近きぬ 文学はやうやう佳境に入りぬ」
「小生は孤立すると同時にいよいよ自立の心つよくなれり
死はますます近きぬ
文学はやうやう佳境に入りぬ」
明治28年12月 五百木良三(瓢亭)宛書簡
(全紙1横)


子規の決意・病状・祝句

今年はと思ふことなきにしもあらず
今年はと思ふことなきにしもあらず
明治29年 季語「元旦」 季節「新年」
(166×52.5縦)
のどかさや杖ついて庭を徘徊す
のどかさや杖ついて庭を徘徊す
明治29年 季語「長閑」 季節「春」
(半切1/2縦)
鶯の鳴けども腰の立たぬなり
鶯の鳴けども腰の立たぬなり
明治29年 季語「鶯」 季節「春」
(全紙1/2)
蓁蓁(しんしん)たる桃の若葉や君娶る
蓁蓁(しんしん)たる桃の若葉や君娶る
明治29年 季語「若葉」 季節「夏」
(全紙1横)


会場の様子












愛媛CATV たうんニュース2016年11月「第10回石丸繁子書道展」