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平成27年11月22日〜

虚子の姿(全紙1横)

「石丸繁子書道展 虚子の姿 - 近代文学の大俳人高濱虚子 八十年の業績」
平成27年11月22日〜11月28日 松山市立子規記念博物館3階 特別展示室
石丸繁子書道展 虚子の姿 コンセプト(全紙1横)

コンセプト
今展は、虚子のファンになって二度目の挑戦である。
虚子の生き方に驚くようなドラマ性はない。だが、俳論「深は新なり」「写生」この言葉は、特に私の琴線に響き心を高揚させた。これらは、書制作のプロセスにおいて、紙面に大いに反映されたのである。それは、虚子のいう表現上の技術であり、「力強い句」を示唆している。虚子は常に心眼を見開き、一貫したその理念と自信を堅持しながら、強大な力で俳句界をリードしていった。まさに、これが虚子八十年の業績であり、近代文学の大俳人たる姿といえる。
虚子が描く十七音のメロディは、今だ私の想像力を駆り立ててやまない。虚子の「俳句の力」にカンパイ。


虚子の決意 ―「文学上に功名を立て世に立つ」

散る梅の掃かれずにある窪みかな
散る梅の掃かれずにある窪みかな
明治29年 季題「散る梅」 季節「春」
(半切1/2横)

廻廊も鳥居も春の潮かな
廻廊も鳥居も春の潮かな
明治29年 季題「春の潮」 季節「春」
(全紙2/3縦)
座を擧げて戀ほのめくや歌かるた
座を擧げて戀ほのめくや歌かるた
明治39年 季題「歌かるた」 季節「冬」
(全紙1/2)
桐一葉日當りながら落ちにけり
桐一葉日當りながら落ちにけり
明治39年 季題「桐一葉」 季節「秋」
(全紙1/3横)


虚子の宣言 ― 俳壇復帰「守旧派」

我心或時輕し芥子の花
我心或時輕し芥子の花
大正 3年 季題「芥子の花」 季節「夏」
(半切1/2縦)
どかと解く夏帶に句を書けとこそ
どかと解く夏帶に句を書けとこそ
大正 9年 季題「夏帯」 季節「夏」
(全紙1縦)
白牡丹といふといへども紅ほのか
白牡丹といふといへども紅ほのか
大正14年 季題「牡丹」 季節「夏」
(半切1縦)
大空に伸び傾ける冬木かな
大空に伸び傾ける冬木かな
大正15年 季題「冬木」 季節「冬」
(半切1縦)


虚子の標語 ―「花鳥諷詠」・「客観写生」論を提唱

思ひ川渡れば又も花の雨
思ひ川渡れば又も花の雨
昭和 3年 季題「花の雨」 季語「春」
(全紙1/3横)

ふるさとの月の港をよぎるのみ
ふるさとの月の港をよぎるのみ
昭和 3年 季題「月」 季節「秋」
(全紙1/3横)

紅梅の莟は固し不言
紅梅の莟は固し不言
昭和 8年 季題「紅梅」 季節「春」
(全紙1/2)
川を見るバナナの皮は手より落ち
川を見るバナナの皮は手より落ち
昭和 9年 季題「バナナ」 季節「夏」
(半切1/4縦)
鯖の旬即ちこれを食ひにけり
鯖の旬即ちこれを食ひにけり
昭和12年 季題「鯖」 季節「夏」
(全紙1/2)

口あけて腹の底まで初笑
口あけて腹の底まで初笑
昭和17年 季題「初笑」 季節「冬」
(全紙1/3横)

炎天に立出でて人またたきす
炎天に立出でて人またたきす
昭和19年 季題「炎天」 季節「夏」
(全紙2/3縦)


虚子の信仰 ―「存問」・「俳句は極楽の文学である」

初蝶來何色と問ふ黄と答ふ
初蝶來何色と問ふ黄と答ふ
昭和21年 季題「初蝶」 季節「春」
(全紙1/2)
闘志尚存して春の風を見る
闘志尚存して春の風を見る
昭和25年 季題「春風」 季節「春」
(120×120)
彼一語我一語秋深みかも
彼一語我一語秋深みかも
昭和25年 季題「秋深し」 季節「秋」
(半切1/2横)

明易や花鳥諷詠南無阿彌陀
明易や花鳥諷詠南無阿彌陀
昭和29年 無題
(全紙1横)


会場の様子