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平成30年11月18日〜

子規の生(全紙1横)

「石丸繁子書道展 子規の生」
子規 最後の二年 明治34年、35年の俳句と短歌
平成30年11月18日〜11月24日 松山市立子規記念博物館3階 特別展示室
石丸繁子書道展 子規の生 コンセプト(全紙1横)

コンセプト
今展は、子規の明治34年、35年の俳句と短歌を作品にしました。
子規は、「痛いことも痛いが・・・泣くかわめくか・・・」と叫びながら、自己の病床のありようを客観的に捉えた句や歌を数多く残しました。
又、随筆「墨汁一滴」「仰臥漫録」「病牀六尺」の執筆は、激烈な苦痛の日々の中で、唯一生きる喜びとなりました。この最後の二年は、死を目前にし「希望」「楽」「自由」が奪い去られ「零(ぜろ)」の時期に近づいていたのです。
それにも拘わらず子規の「生」への執着は、「写生」の内容をさらに深め、質的に高い成果を収めました。作品制作の過程において、子規は強靭な精神力を示唆し、私を鼓舞し続けながらエキサイトさせてくれました。


随筆『墨汁一滴』 俳句 (明治34年1月16日〜7月2日)

筆禿びて返り咲くべき花もなし
筆禿びて返り咲くべき花もなし
季語「帰り花」 季節「冬」
明治34年 1月24日
(全紙1/2)
年玉を並べて置くや枕もと
年玉を並べて置くや枕もと
季語「年玉」 季節「新年」
明治34年 1月28日
(全紙1/2)
ガラス玉に金魚を十ばかり入れて机の上に置いてある。余は痛をこらへながら病床からつくづくと見て居る。痛い事も痛いが綺麗な事も綺麗ぢゃ。
ガラス玉に金魚を十ばかり入れて机の上に置いてある。余は痛をこらへながら病床からつくづくと見て居る。痛い事も痛いが綺麗な事も綺麗ぢゃ。
明治34年 4月15日
(全紙1/3横)
三年目に蕾たのもし牡丹の芽
三年目に蕾たのもし牡丹の芽
季語「牡丹」 季節「夏」
明治34年 4月16日
(全紙2/3縦)
春深く腐りし蜜柑好みけり
春深く腐りし蜜柑好みけり
季語「春深し」 季節「春」
明治34年 4月16日
(全紙1/2)
山吹や何がさはって散りはじめ
山吹や何がさはって散りはじめ
季語「山吹」 季節「春」
明治34年 4月25日
(全紙1/2)


随筆『仰臥漫録』 俳句 (明治34年9月2日〜10月29日)

雨ノ日ヤ皆倒レタル女郎花
雨ノ日ヤ皆倒レタル女郎花
季語「女郎花」 季節「秋」
明治34年 9月 2日
(全紙1/3縦)
美女立テリ秋海棠ノ如キカナ
美女立テリ秋海棠ノ如キカナ
季語「秋海棠」 季節「秋」
明治34年 9月 4日
(半切1/2縦)
病牀ノウメキニ和シテ秋ノ蝉
病牀ノウメキニ和シテ秋ノ蝉
季語「秋の蝉」 季節「秋」
明治34年 9月 9日
(半切1縦)
ツクヅクト我影見ルヤ虫ノ聲
ツクヅクト我影見ルヤ虫ノ聲
季語「虫の声」 季節「秋」
明治34年 9月 9日
(半切1縦)
草花ノ鉢並ベタル床屋カナ
草花ノ鉢並ベタル床屋カナ
季語「草の花」 季節「秋」
明治34年 9月12日
(全紙1/2)
朝顔ヤ繪ニカクウチニ萎レケリ
朝顔ヤ繪ニカクウチニ萎レケリ
季語「朝顔」 季節「秋」
明治34年 9月13日
(全紙1/3横)


随筆『病牀六尺』 俳句 (明治35年5月5日〜9月17日)

筍に木の芽をあえて祝ひかな
筍に木の芽をあえて祝ひかな
季語「筍」 季節「夏」
明治35年 5月18日
(全紙2/3縦)
五月雨や善き硯石借り得たり
五月雨や善き硯石借り得たり
季語「五月雨」 季節「夏」
明治35年 6月13日
(全紙1縦 屏風)
芍薬は散りて硯の埃かな
芍薬は散りて硯の埃かな
季語「芍薬」 季節「夏」
明治35年 6月13日
(全紙1縦 屏風)
風板引け鉢植の花散る程に
風板引け鉢植の花散る程に
季語「風板」 季節「夏」
明治35年 7月19日
(全紙1)


随筆『墨汁一滴』 短歌

あら玉の年のはじめの七草を籠に植ゑて來し病めるわがため
あら玉の年のはじめの七草を籠に植ゑて來し病めるわがため
明治34年 1月17日
(半切1縦)
瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり
瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり
明治34年 4月28日
(全紙1縦)
藤なみの花の紫繪にかかばこき紫にかくべかりけり
藤なみの花の紫繪にかかばこき紫にかくべかりけり
明治34年 4月28日
(44x148 縦)
夕顔の棚つくらんと思へども秋待ちがてぬ我いのちかも
夕顔の棚つくらんと思へども秋待ちがてぬ我いのちかも
明治34年 5月 4日
(120x120)


会場の様子