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令和1年11月17日〜


(全紙1横)

「石丸繁子書道展 子規の眼」
「明治30年の子規」―芭蕉と蕪村の影響
令和1年11月17日〜11月24日 松山市立子規記念博物館3階 特別展示室

(全紙1横)

コンセプト
今展は、「子規の眼」と題し、明治30年の子規に光を当てました。
子規が芭蕉と蕪村に如何に眼を向けていたか、そして如何にして自らの世界観を詠み、独自の旗幟を明らかにしていったかを探りました。この年の子規は、芭蕉と蕪村の句の用法や発想などを真似ながら句を詠み、又、新素材の拡大、古典摂取の深化を図りました。その姿を作品制作しました。
私がなぜ、子規にこだわり続けているか。それは、子規が病苦との闘いの中で、文学革新に向って果敢に挑戦する姿に魅せられているからです。その闘志がどこにあるのかと考えた時、子規は病床六尺の世界の中で、自分のゴールを常に意識していたのではないか、そんな思いがいたします。
皆様に、「子規の眼」を通して、書と句意がいかに連動しているか、又、句意のイメージを共有していただければと思います。

新年の句

初夢の何も見ずして明けにけり
初夢の何も見ずして明けにけり
季語「初夢」 季節「新年」
(全紙1/2)
莟太く開かぬを愛す福壽草
莟太く開かぬを愛す福壽草
季語「福壽草」 季節「新年」
(半切1/2縦)

芭蕉の影響

晝過や隣の雛を見に行かん
晝過や隣の雛を見に行かん
季語「雛」 季節「春」
(全紙1/2)
床の梅散りぬ奈良茶をもてなさん
床の梅散りぬ奈良茶をもてなさん
季語「梅散る」 季節「春」
(全紙2/3縦)
もたれよる柱ぬくもる冬籠
もたれよる柱ぬくもる冬籠
季語「冬籠」 季節「冬」
(全紙1/3縦)
晝門を鎖す殘暑の裸哉
晝門を鎖す殘暑の裸哉
季語「残暑」 季節「秋」
(全紙1/2)

蕪村の影響

兄弟の子が喧嘩する蒲團哉
兄弟の子が喧嘩する蒲團哉
季語「蒲団」 季節「冬」
(全紙1/3縦)
雲無心南山の下畑打つ
雲無心南山の下畑打つ
季語「畑打」 季節「春」
(全紙1/2)
唐辛子に朝日さしたる飯時分
唐辛子に朝日さしたる飯時分
季語「唐辛子」 季節「秋」
(全紙1/2)
牡丹剪て十日の醉のさめにけり
牡丹剪て十日の醉のさめにけり
季語「牡丹」 季節「夏」
(半切1縦)
大砲のどろどろと鳴る木の芽哉
大砲のどろどろと鳴る木の芽哉
季語「木の芽」 季節「春」
(全紙1/3横)
戸を叩く女の聲や冬籠
戸を叩く女の聲や冬籠
季語「冬籠」 季節「冬」
(全紙2/3縦)

新しい素材句

船をあがる横濱に夜の明け易き
船をあがる横濱に夜の明け易き
季語「明け易し」 季節「夏」
(全紙1縦)
水仙の日向に坐して寫眞哉
水仙の日向に坐して寫眞哉
季語「水仙」 季節「冬」
(全紙1縦)
蕪引く頃となりけり春星忌
蕪引く頃となりけり春星忌
季語「蕪引」 季節「冬」
(全紙1縦)
秋海棠に齒磨こほす端居哉
秋海棠に齒磨こほす端居哉
季語「秋海棠」 季節「秋」
(全紙1横)

境涯句

夏痩や牛乳に飽て粥薄し
夏痩や牛乳に飽て粥薄し
季語「夏痩」 季節「夏」
(半切1縦)
足の立つ嬉しさに萩の芽を檢す
足の立つ嬉しさに萩の芽を檢す
季語「木の芽」 季節「春」
(全紙1縦)
時鳥毎晩鳴て足痛し
時鳥毎晩鳴て足痛し
季語「時鳥」 季節「夏」
(全紙1/2)
萩芒今年は見たり來年は
萩芒今年は見たり來年は
季語「萩」 季節「秋」
(半切1/2横)